Places

 
Place: London

ウィリアム・クライン + 森山大道 展

Daido Moriyama, William Klein
アートカテゴリ:  Visual Art, Photo

Daido Moriyama, TOKYO, 2011

Courtesy Daido Moriyama Photo Foundation © Daido Moriyama

 

大きく引き伸ばされた白黒写真にみるザラザラとした質感やコンタクトシートを囲む赤や 黄色のペイント。その強烈な印象は、都会の煩雑さや騒々しさを彷彿させる。20世紀を 代表する写真家ウィリアム・クラインと森山大道の作品約330点を集めた展示が、テー ト・モダンで1月20日まで開催されている。

 

60-70年代の東京とニューヨークを2人がどのように視て、捉えたのかー訪れる多く の人は、それを期待して展示室に足を踏み入れるだろう。しかし、2人の作品が隣同士に 並べられていないことから、それ以上に複雑な印象を受ける。

 

William Klein, Candy Store, New York, 1955 © William Klein

 

展示スペースの前半は、クラインの広角レンズを通して街を歩く。銃犯罪に溢れた実社会 をも直視したニューヨークと、上半身を露出したアーティストが練り歩く銀座と、カメラ の存在は常にあるものの、被写体との距離の違いを感じることができる。

 

そんなクラインの作品との出会いは、森山が「アレ・ぶれ・ボケ」を取り入れるきっかけ とされている。裏道まで知り尽くした東京と、観光客の視点に近い被写体を横と縦に並べ た70年代のニューヨークの写真には、クライン同様の距離を感じるものの、意識上保た れている印象を受ける。

 

Daido Moriyama, ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK, 1971

Tokyo Polytechnic University © Daido Moriyama

 

「巨大な欲望体」である街の魅力に取憑かれるように撮り続ける森山がモノクロームにこ だわるのは、抽象性や象徴性が強いから。色が氾濫している時代だからこそ、街独特の猥 雑さを表現するのに必要なのだという。

 

ローマの横断歩道ですれ違うモデルや、東名高速道路に続く照明、路上をさすらう一匹の 犬など。2人の代表作が並ぶなか、ほぼ同じ時代の街を歩いた写真家が交差する画を思い 浮かばせる展示となっている。

 

text by Mayuko Ono