Events

 
Place: New York

ニール・ゴールドバーグ:「Stories the City Tells Itself」

アートカテゴリ:  Multi Media, Photo

ビデオアーティストのニール・ゴールドバーグが、Museum of the City of New Yorkで「 Stories the City Tells Itself 〜街のモノローグ〜」というタイトルの展覧会を開催中だ。会場は決して広くはないが、一足踏み入れればたちまち 彼の目を通して映し出されたニューヨークの街やそこに住む人々が織り成す物語の世界に引き込まれてしまう。

 

 

ニューヨークといえば、きらめく摩天楼や、ミュージカルなどのエンターテイメントをまず思い浮かべることだろう。しかし、ニューヨークで生まれ育ったゴールドバーグは、街を行き交う人々の表情や、何気ない風景といったありふれた日常を切り取ることでこの街を語ってゆく。

 

会場には、ゴールドバーグが1993年から2012年の間に撮り続けてきた様々な表情のニューヨークの街が溢れている。朝、店のシャッターを開ける店主の様子や、雨の日の映像、地下鉄の出入り口など、ごくありふれた日常のひとコマが、映像というフィルターを通して綴られている。

 

 

多様な人種の人々が、「シャッターを開ける」という同じ動作をバトンリレーのように次々と反復していく映像では、その単純な動作の中に「違い」を見出している。また、雨の日のニューヨークの街を壁に映し出した作品では、単なる雨の映像が動くスピードの違いや色の違いなどによって表情を変え、19通りの雨が、まるで人間のように「個性」を主張している。

 

 

ゴールドバーグの映し出す世界は、これまで私たちが普段目もくれなかったものや見過ごしていたものに気付かせてくれる。そしてニューヨークという街が、そういった何気ない、人が無意識の中で見過ごしてしまっている日常の風景から成り立っていたりすることを、私たちに改めて認識させてくれることであろう。

 

 

text & photo by Saho Inoue