Events

 
Place: New York

Cindy Sherman @ MoMA

アートカテゴリ:  Photo

 

ニューヨークが生んだ女性写真家Cindy Sherman。セルフポートレート作品、いわゆる自分自身を題材にした作品で有名な写真家である。簡潔に説明するならば、自分でメイクアップやドレスアップをし、他の誰かになりきって自身の写真を撮っている。そんなアーティストだ。それはもちろん単なる仮装にあらず。前情報なしでは全て同一人物だとわからないほど巧妙にできている。七変化ならぬ百変化。まさにカメレオンレディーだ。

 

彼女の女優っぷりと写真家としてのテクニックが相まって、どの作品も恐怖さえ感じるほど生々しく、そして美しい。各作品の背景にあるのは、彼女が過ごしたさまざまな時代における女性の位置づけ。「この時代に生き、女性であるがゆえに撮ることができた」と彼女自身が語っているように、女性の性や社会的地位、その時代に生きた女性のドラマを各作品から感じずにはいられない。女性の強さと弱さ、柔らかさの中にある鋭さといったものが作品に凝縮されている。そして彼女がなりきっている”他の誰か”というのが、日本人から見ても”どこかに居そうな誰か”なのもまた面白い。

 

写真家として30年以上のキャリアを持つ彼女の大回顧展。現在ニューヨークのMoMAで開催中のこの展覧会は、ニューヨークを皮切りにアメリカ各地での開催を予定している。MoMAではワンフロアー全てを使用した大規模な展示となっており、初期の作品から彼女の代表作である「Untitled Film Stills」、そして現在に至るまで170点以上の作品を堪能できる。Cindy Shermanというアーティスト、もとい、大女優が演じた100のドラマを、この機会にぜひ体感してほしい。会期は6月11日まで。

 

 

text & photo by Kanako Hashiguchi